【ネタバレ注意】この記事には、映画『ウィキッド 永遠の約束』の重要な展開・結末に関するネタバレが含まれます。未鑑賞の方はご注意ください。
この記事はシリーズ第3回目(全3回)になります。
なぜ『ウィキッド 永遠の約束』のラストは、あれほど切なく、それでいて美しく見えるのでしょうか。
前作『ウィキッド ふたりの魔女』で置かれた小さな一言や、何気ない場面、そしてオズの魔法使いとマダム・モリブルの振る舞いは、続編で次々に意味を変えていきます。
本作は単なる後編ではなく、友情、政治、歴史の作られ方まで一気につながる構成が大きな見どころです。
この記事では、映画『ウィキッド 永遠の約束』のネタバレを前提に、伏線回収、重要セリフの意味、黒幕の狙い、見落としやすいポイント、ラストの解釈までを一気に掘り下げます。
前作の描写がどこで回収されたのかを知りたい人にも、最後の別れが何を示していたのかを確かめたい人にも、最短で全体像がつかめる内容です。
まず押さえたい伏線回収の核心|ラストの意味につながる最大の仕掛けを考察
『ウィキッド 永遠の約束』の最大の仕掛けは、前作で描かれた友情そのものが、続編では政治と歴史の話へ変わっていくことです。 前作では、エルファバとグリンダの関係は、正反対の二人が少しずつ歩み寄っていく物語として見えました。 ところが続編まで見終えると、あの関係は単なる友情ではなく、「誰が表の世界に残り」「誰が歴史の外へ押し出されるのか」を示す大きな軸だったことが分かります。
特に重要なのは、前作の時点で、二人の関係がすでに色や言葉で示されていたことです。 「ピンクって、緑にけっこう合うのよ。」という軽やかな言葉は、単なる親しみや冗談ではありません。 対照的な二色が並んでも成立することを示した一言であり、本来この二人は対立する存在ではなく、並び立つことで意味が完成する関係だったと受け取れます。
その一方で、物語の裏ではオズとモリブルが、才能や人気や見た目を使いながら、誰を前に出し、誰を危険な存在として仕立てるかを選んでいました。 そのため本作のラストは、善い魔女と悪い魔女の勝敗ではありません。 誰が人前に残り、誰が本当の自分を隠したまま生きるのかという、もっと苦い結末です。
物語全体をひっくり返す“最重要伏線”はどこにあったのか
最重要伏線としてまず挙げたいのは、前作でマダム・モリブルがエルファバだけを特別扱いして連れていく場面です。 初見では、エルファバの才能がついに認められた印象を受けます。 しかし続編まで見たあとでは、この場面は祝福ではなく、利用価値のある人物を選び出す瞬間に見えてきます。
ここで大切なのは、モリブルがエルファバの心や願いを見ていたのではなく、力と希少性を見ていたことです。 つまりこの場面は、教師が生徒を導いたのではなく、支配側が使える存在を見つけた場面でした。 前作の段階では誇らしさを帯びていた演出が、続編では一気に不穏さへ変わります。
ラストの意味を決定づけた伏線とは?最後につながる重要シーンを整理
ラストに直結する場面としては、続編の“Bubble”の付与、キアモ・コーの城と秘密の抜け道、「空を飛ぶ家」のビジョンが特に重要です。 Bubbleは、グリンダが個人ではなく、象徴として整えられていく流れを目に見える形にしたものです。 グリンダは自分の意思だけで立っているのではなく、周囲が求める“善い魔女像”を背負わされていきます。
秘密の抜け道は、終盤の生存や逃走を支える仕掛けであると同時に、表に見える物語と、表に出ない真実が別々に存在することを暗示しています。 また、「空を飛ぶ家」のビジョンは、『オズの魔法使い』へつながる連想装置であるだけでなく、異物の侵入によって運命が大きく動く未来を先回りして示す予兆です。
初見では気づきにくいのに超重要|見返すと印象が変わる伏線を考察
見返すと印象が大きく変わるのは、前作で何気なく交わされた言葉が、続編ではまったく別の重さを持ち始める点です。 「私と来て。」は、その瞬間だけ見れば逃走への誘いです。 ですが物語全体で見ると、同じ価値観で一緒に生きてほしいという願いが込められた一言でした。
そして続編の「まさか……エルファバ?」は、再会への驚きだけでは終わりません。 そこには、失ったと思っていた相手への感情、今の自分の立場、世間が信じている物語とのズレがいっぺんに重なっています。 短い一言の中に、友情、罪悪感、希望、恐れが詰まっているからこそ、強く残ります。
本作最大の伏線は、友情の崩れではなく、友情が政治の道具に変えられていく流れそのものにあります。 次は、重要なセリフがどこで意味を変えたのかを具体的に見ていきます。
セリフの伏線回収を考察|あの一言が意味していたこと5選
『ウィキッド 永遠の約束』は、派手な出来事よりも、先に置かれた一言の意味があとから大きく変わる作りがとても印象的です。 前作での軽い会話や励まし、評価のように聞こえた言葉が、続編では立場や真意の違いを照らし出す言葉へ変わっていきます。 そのため、セリフの回収を追うだけでも、物語全体の見え方がかなり変わります。
| 伏線的セリフ | 誰が | 誰に | 場面の状況 | 伏線の内容 | 伏線回収 | 考察まとめ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ピンクって、緑にけっこう合うのよ。 | ガリンダ | エルファバ | 前作で距離が縮まり始めた時期のやり取り。 | 対照的な二人が並び立つ未来を、色で先取りしている。 | 続編で二人は別々の立場に置かれても、互いの存在が相手を完成させる関係として響く。 | 軽い言葉に見えて、最初から「対立ではなく補完」の関係を示していた。 |
| 私と来て。 | エルファバ | グリンダ | 前作で列車に飛び乗り、エメラルドシティへ向かおうとする場面。 | 一緒に新しい世界へ進もうとする誘い。 | 続編ではその誘いが実現しなかった事実自体が、二人の別れの痛みとして残る。 | 逃走の誘いではなく、価値観を共有したいという願いの言葉だった。 |
| あなたが私の見立てを覆してくれるといいけれど。 | マダム・モリブル | ガリンダ | 前作でガリンダを値踏みするように見る場面。 | 期待しているようでいて、能力と従順さを試す言葉になっている。 | 続編でグリンダが象徴として扱われる流れの早い段階の伏線になる。 | 応援ではなく、使える側に入るかどうかを見極める発言だった。 |
| まさか……エルファバ? | グリンダ | エルファバ | 続編で再会の衝撃が押し寄せる場面。 | 生存の驚きと、今の立場では簡単に感情を表に出せない苦しさ。 | 前作から続く未練や絆が、まだ終わっていないことを示す。 | 一言の中に、再会、罪悪感、希望が重なった重要セリフ。 |
| 真実は、事実や理屈で決まるものじゃない……真実とは、みんながそうだと認めたもののことだ……それを私たちは“歴史”と呼ぶ。 | オズの魔法使い | 民衆と周囲 | 続編で支配の本音を露骨に語る場面。 | 歴史は発見されるものではなく、作られるものだという思想。 | エルファバが「悪い魔女」として固定される構図全体を説明する。 | 本作の政治性と黒幕の思考を最もはっきり示す言葉。 |
「ピンクって、緑にけっこう合うのよ。」は、前作ではとても軽やかで親しみのある一言です。 ですが続編まで追うと、ピンクと緑は本来ぶつかる色ではなく、並ぶことで意味が立ち上がる色だったことが見えてきます。 つまりこの一言は、二人が最後まで互いを打ち消し合う関係ではないことを、最初から示していました。
「私と来て。」も同じです。 この言葉は行動だけ見れば移動の誘いですが、本質はそうではありません。 エルファバはグリンダに、場所ではなく価値観を共有する未来を差し出していたと考えられます。 続編でその願いがかなわなかったからこそ、この一言は後から強く痛みます。
モリブルの「あなたが私の見立てを覆してくれるといいけれど。」には、教師らしい期待の顔と、支配側の計算が同時にあります。 この人物は、相手を励ますように見せながら、常に選別の目で見ています。 そのため、このセリフはガリンダへの期待ではなく、従う側に育つかどうかの観察として読むと続編につながります。
続編の「まさか……エルファバ?」は、わずかな文字数なのに感情の密度が高い一言です。 グリンダは公的な顔を持つ人物になっているからこそ、昔の友人としてだけ反応することができません。 それでも思わず漏れる名前には、失われていなかった個人的な感情がにじみます。 ここで本作は、立場が変わっても心まで塗り替えられたわけではないと示します。
そしてオズの発言は、本作の仕組みそのものを明かしています。 「真実は、事実や理屈で決まるものじゃない」という考えは、単なる悪役らしい演説ではありません。 これは、民衆が信じたい物語を用意し、その物語を“歴史”に変える方法を語った言葉です。 エルファバがなぜ追われるのか、なぜグリンダが前面に立つのか、そのすべてがこの思想で一本につながります。
本作のセリフは感情を語るだけでなく、あとから世界の仕組みまで説明し直す働きをしています。 次は、場面の置き方や小物がどう真相を示していたのかを見ていきます。
演出の伏線回収を考察|構図・色・音・小物が示していた真相5選
『ウィキッド 永遠の約束』では、言葉だけでなく場面の置き方そのものが強い意味を持っています。 前作で見た時には美しく印象的だった場面が、続編まで見終えるとまったく違う表情を見せます。 特に本作は、色、移動、浮遊、閉じた場所と抜け道など、視覚的な要素で二人の運命を先回りして示しています。
| 伏線的シーン | 誰が | 誰に | 場面・状況 | 伏線の内容 | 伏線回収 | 考察まとめ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| マダム・モリブルがエルファバだけを特別扱いして連れていく場面 | マダム・モリブル | エルファバ | 前作で力を認められたように見える場面。 | 特別視が保護ではなく囲い込みである可能性。 | 続編でエルファバが支配側に都合のいい存在として見られていたことが明確になる。 | 祝福に見える演出が、後から支配の入口に変わる。 |
| 列車に飛び乗ってエルファバがグリンダをエメラルドシティへ誘う場面 | エルファバ | グリンダ | 前作で未来に向かって一緒に進もうとする場面。 | 移動が友情の完成にも分岐にもなりうる。 | 続編では「あの時一緒に行けなかったこと」が二人の関係を決定づけたと分かる。 | 乗り物の勢いが、そのまま選択の重さにつながる場面。 |
| モリブルがグリンダに“Bubble”を与える場面 | マダム・モリブル | グリンダ | 続編でグリンダが象徴として整えられていく場面。 | 浮遊する姿が、民衆に見せる偶像としての完成を示す。 | グリンダが個人より先に“善い魔女”として見られていく流れを回収する。 | 魔法の演出であると同時に、政治的な演出でもある。 |
| エルファバとフィエロがキアモ・コーの城と“秘密の抜け道”の話をする場面 | エルファバ、フィエロ | 互いに | 続編で隠れ場所や逃走の可能性が語られる場面。 | 閉じた城の中にも、表に見えない出口がある。 | 終盤の生存や行方の解釈に直結する仕掛けになる。 | 本作全体の「表の歴史と裏の真実」をそのまま形にした場面。 |
| エルファバが「空を飛ぶ家」のビジョンを見る場面 | エルファバ | なし | 続編で未来を連想させる不穏なイメージが差し込まれる場面。 | 別世界からの侵入と破壊の予兆。 | 『オズの魔法使い』側の物語へ接続し、運命の到来を示す。 | 世界観の橋渡しであると同時に、悲劇の気配を前もって置く演出。 |
モリブルがエルファバを連れていく場面は、画面だけ見れば選ばれた喜びに満ちています。 しかしそこには、他者から切り離して接触するという意味があります。 「特別に扱う」ことは「孤立させる」ことにもつながるため、この場面は後から見ると非常に怖い入口です。
列車の場面は、前作を代表する高揚感のある場面ですが、同時に分岐の場面でもありました。 列車は止まらず進みます。 だからこそ、その瞬間の選択が取り返しのつかないものとして残ります。 エルファバが差し出した手は、物語全体で見れば最後の分岐点だったといえます。
続編のBubbleは、見た目には華やかで、グリンダの魅力を強調する演出です。 ですが、この場面の怖さは、グリンダが上へ持ち上げられるほど、地上の現実や個人的な感情から遠ざかっていくことにあります。 彼女は自分の意思で浮いているというより、“善い魔女”として見せるために浮かされているのです。
キアモ・コーの城と秘密の抜け道の話は、終盤の展開を支える具体的な仕掛けです。 ただしそれ以上に意味があるのは、城という閉じた場所に、目立たない出口があることです。 これは本作全体の構図そのもので、表向きには悪い魔女として追われていても、物語の外には別の真実があることを示しています。
「空を飛ぶ家」のビジョンは、『オズの魔法使い』を知っている観客ほど大きく反応するポイントです。 ここで重要なのは、単なる元ネタ連結で終わっていないことです。 空から来る家という異物は、この世界に外から運命が落ちてくることを意味しています。 そのためこのビジョンは、世界がこれまでの均衡を保てなくなる未来を事前に告げる映像だと読めます。
本作は派手な場面ほど感情を盛り上げるだけでなく、あとから真相を照らすための配置になっています。 次は、オズの魔法使いを中心に、黒幕の行動とセリフがどうつながるのかを見ていきます。
黒幕の伏線回収を考察|行動とセリフの矛盾がつながる決定的根拠
黒幕はオズの魔法使いです。
黒幕の目的は何だった?
自らに実力がないことを隠し、恐怖と神話を使って支配を続けるためです。
本作で恐ろしいのは、オズの魔法使いが露骨な暴力だけで支配しているわけではないことです。 彼はまず、親しみやすさや夢を語る言葉で相手の警戒を解きます。 そのうえで、自分に都合のいい物語を民衆へ広め、真実より先に“信じたい空気”を完成させることで優位に立っています。 だからこそ本作の黒幕性は、派手な悪事よりも、じわじわと世界を書き換えていくところにあります。
| 黒幕行動・セリフ | 誰が | 誰に | 場面・状況 | 伏線の内容 | 伏線回収 | 考察まとめ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| エルファバの母が謎の男から“緑の瓶”を渡されて飲む場面 | オズの魔法使い | エルファバの母 | 前作の出自につながる回想的な場面。 | エルファバ誕生の背景に、偶然ではない影が差している。 | 続編でオズの存在が個人的なレベルでも物語に食い込んでいたことが見えてくる。 | 支配者が社会だけでなく、個人の運命にも入り込んでいたことを示す。 |
| “優しい父親”みたいに振る舞って警戒心を解かせる | オズの魔法使い | 周囲の人々 | 前作から続く、親しみやすい人物像の演出。 | 保護者のような姿が、支配をやわらかく見せる仮面になっている。 | 続編で本音を見せた時、その優しさが懐柔の手段だったと分かる。 | 威圧ではなく安心感で従わせるのが、この人物の危うさ。 |
| いやあ、それが私のいちばん好きなことなんだ。みんなを幸せにすることがね。 | オズの魔法使い | 周囲 | 前作で善意の人物に見せる場面。 | 幸福を語ることで、疑う余地を減らしている。 | 続編で“誰にとっての幸せか”が歪んでいたことが明確になる。 | やさしい言葉ほど危険という、本作の怖さが出ている。 |
| 人々は決して私を信じるのをやめないよ。だって、やめたくないんだから。 | オズの魔法使い | 周囲 | 続編で民衆心理を見抜いた本音を語る場面。 | 支配が権威ではなく、信じたい願望に寄りかかっていることを示す。 | エルファバへの敵意も、都合のいい神話の受け皿になっていると分かる。 | 本作の支配構造を一言で説明する危険な発言。 |
“緑の瓶”の場面は、前作だけでは不穏な由来の提示に見えます。 ですが続編まで見ると、これは偶然の悲劇ではなく、オズという人物の影がもっと深い場所に伸びていたことを示す場面になります。 つまりエルファバは、社会に追われる前から、支配者の都合が生んだ歪みの中にいた可能性が高いのです。
また、オズの魔法使いが“優しい父親”のようにふるまう点も重要です。 彼は恐怖だけではなく、安心感を配ることで相手の判断を鈍らせます。 正面から威張る人物なら警戒されますが、包み込むようにふるまう人物は疑われにくいです。 この差が、オズを単純な悪役以上に不気味な存在にしています。
「みんなを幸せにすることがね。」という発言は、その象徴です。 この言葉だけ抜き出せば善人の自己紹介に見えます。 しかし実際には、誰かを幸せに見せるために、別の誰かを悪者にする構図が裏で進んでいました。 そのためこの発言は、理想を語ることで責任から逃れる言葉にも聞こえてきます。
続編の「人々は決して私を信じるのをやめないよ。だって、やめたくないんだから。」は、さらに決定的です。 ここでオズは、自分の力を誇っているのではありません。 人は真実よりも、信じていたい物語を守りたがることを分かったうえで、それを利用しているのです。 つまり彼の支配は、上から押しつけるだけでなく、民衆の願望に寄り添うふりをして完成する支配です。
伏線回収後に見える“テーマ”|何を描きたかったのか
伏線をたどると、この作品が描きたかったのは単純な善悪の対立ではないと分かります。 中心にあるのは、誰が物語を語り、誰がその物語から消されるのかという問題です。 エルファバは力があるから危険視されたのではなく、支配側が作る物語にとって都合が悪い存在だったから追われました。
一方のグリンダは、嘘そのものを愛していたわけではありません。 ですが、民衆の前に立つ役目を背負う中で、真実をそのまま差し出すよりも、今の秩序を保つ側に置かれていきます。 だからこの二人は、敵同士というより、同じ歪んだ世界に別々の役目で飲み込まれた存在と見るほうがしっくりきます。
黒幕の怖さは、力よりも物語の作り方を知っている点にあります。 次は、初見では見逃しやすい伏線や小さな違和感をまとめて確認していきます。
見落としやすい伏線まとめ|初見では気づきにくい重要ポイントを整理
『ウィキッド 永遠の約束』は、はっきり説明される要素だけでも十分追えますが、細かい部分を見るとさらに面白さが増します。 特に見逃しやすいのは、色の置き方、立ち位置、浮遊や移動の使い方、そして軽く聞き流してしまう会話です。 ここを押さえると、ラストの印象がかなり変わります。
一瞬すぎて気づかない?背景・小物に隠されていた伏線まとめ
もっとも分かりやすいのは色です。 ピンクと緑は、二人の違いを見せる色であると同時に、二人の関係そのものを示す色でもあります。 また、エメラルドの華やかさは希望だけでなく、磨かれた虚像の匂いも持っています。 きらびやかなほど、そこに隠された操作が見えにくくなるからです。
浮遊するイメージも重要です。 Bubbleで上に持ち上げられるグリンダと、空や飛行に結びつくエルファバは、どちらも上方向のイメージを持ちます。 ただしその意味は違います。 グリンダの浮遊は見せるための上昇であり、エルファバの飛翔は拘束から離れるための移動です。 同じ上方向でも、一方は演出、一方は自由という違いがあります。
何気ないセリフに答えがあった|後から意味が変わる伏線を整理
本作では、強く言い切るセリフより、軽く流されるセリフのほうがあとから効いてきます。 前作の時点でモリブルやオズは、決して完全に本音を隠しているわけではありません。 むしろ、今見るとかなり露骨に思想をにじませています。 観客がその時点では好意や期待として受け取ってしまうからこそ、続編で意味が反転した時に強く響きます。
見逃すとラストの見え方が変わる|初見で気づきにくい重要ポイント3選
第一に、グリンダは単純に体制側へ寝返った人物ではありません。 彼女は人気や見た目や振る舞いを期待される側に置かれ、その期待に合わせて立つしかない立場に追い込まれていきます。 この点を見落とすと、ラストの選択が薄く見えてしまいます。
第二に、エルファバの逃走は敗北ではありません。 確かに表向きには追われる側ですが、自分の物語を他人の都合で完成させないための決断とも読めます。 この見方を持つと、終盤の印象はかなり違ってきます。
第三に、フィエロやキアモ・コー関連の会話は恋愛だけの話ではありません。 あのあたりの伏線は、終盤における行方、生存、目撃される物語と実際の出来事のズレにまでつながっています。 恋愛要素としてだけ見てしまうと、かなり重要な仕掛けを見逃します。
見落としやすい伏線ほど、ラストの印象を静かに変える力を持っています。 次は、未回収に見える点や残された謎が本当に未回収なのかを考えていきます。
回収されなかった伏線はある?残る謎・ラストの意味・続編の可能性を考察
本作を見終えたあと、多くの人が感じるのは「回収されたのに、まだ何か残っている」という感覚だと思います。 ただ、それは欠点というより、この作品がすべてを言い切らない形で終わることを選んでいるからです。 むしろ、少し残すことで二人の関係や世界の歪みが長く残る構成になっています。
未回収に見える伏線①を考察|作中ですでに回収されていた可能性
たとえば、エルファバの出自やオズの関与は、すべてを説明し尽くしてはいません。 ですが、完全な未回収とは言い切れません。 本作は答えを一から十まで置くのではなく、線をつなげば見える形で答えを置く作りです。 そのため、説明不足に見える部分も、実は観客に最後の一歩を委ねているだけだと考えられます。
未回収に見える伏線②を考察|あえて説明しなかった演出意図とは
エルファバとグリンダの感情を、最後まではっきり言葉にし切らないところも同じです。 ここを全部説明してしまうと、二人の関係は分かりやすくなる一方で、余韻はかなり弱くなります。 本作は、言い切らないことで、別々の場所で相手を思い続ける感じを残しています。
残された謎の意味を考察|説明不足ではなく余白だった可能性
また、真実が本当に回復したのかという点も完全には閉じていません。 オズの嘘がすべて消えたとしても、民衆が次にどんな物語を信じるのかは別問題です。 だから本作は、悪を倒してすべて解決した話ではなく、神話が入れ替わるだけかもしれない不安も残しています。
ラストの意味を考察|ハッピー・バッド・続編示唆の3パターン
ハッピー寄りの見方では、二人は形を変えて互いを守り抜いたと読めます。 一緒に暮らす未来ではなくても、相手の存在を消さなかった点に希望があります。
ビター寄りの見方では、二人は同じ真実を知りながら、同じ場所には立てなかったことになります。 友情は壊れていないのに、現実の立場がそのまま距離になってしまったという意味で、かなり切ない結末です。
皮肉寄りの見方では、歴史の書き換えは終わっていません。 オズの物語が別の物語に置き換わっただけで、民衆がまた新しい神話を必要としている可能性もあります。 その場合、本作のラストは救いと同時に警告でもあります。
伏線と描写から考察|もっとも自然なラスト解釈はどれか
もっとも自然に見えるのは、完全な幸福でも完全な悲劇でもない、相手を理解したうえで別々の役目を引き受けた結末です。 前作では一緒に行く未来が夢として差し出されました。 しかし続編では、二人は同じ方向を向いたまま、同じ場所には立てないことが示されます。 そこにあるのは断絶ではなく、言葉にしきれない受容です。
続編の可能性を考察|スピンオフにつながる伏線は残っている?
映画としては、前後編で大きな物語はしっかり閉じています。 そのため、本筋のさらに先を描く続編の必要性は高くありません。 一方で、『オズ』世界そのものや別視点の物語にはまだ広がる余地があります。 その意味では、完全な終点というより、世界観としての余白は残されています。
映画考察ピヨラボ予想:続編ありの確率 18%
これはあくまで勝手な予想です。 本編の物語がかなりきれいに閉じているため、同じ二人の先をそのまま続ける可能性は高くないと見ます。 ただし、オズの別人物視点やスピンオフ型の企画なら成立しうるため、完全にゼロとも言い切れません。
本作の“残る感じ”は未完成だからではなく、言い切らないことで二人の関係を長く残すための終わり方です。 次は、配信やサブスク解禁の見通しを見ていきます。
配信・サブスクはいつ?来る可能性が高い順に予想
『ウィキッド 永遠の約束』は劇場公開直後の作品なので、まずは映画館での展開が中心です。 そのうえで今後は、レンタル先行、デジタル販売、定額見放題の順に進む可能性が高いと考えられます。 海外作品の大型ミュージカル映画は、劇場での興行状況を見ながら配信時期が調整されることも多いため、日本での見放題解禁はやや時間が空く可能性があります。
現時点では、国内サブスクの確定情報よりも、まずは劇場公開の動きが優先です。 そのため、配信開始日の断定よりも、いつ頃レンタル配信に来そうか、どのサービスが有力かという見方で追うのが現実的です。
配信情報は今後更新の可能性が高いため、現段階では劇場公開後の動きを追うのがいちばん確実です。 次は、SNSでの評判から、伏線回収やラストがどう受け止められているのかを見ていきます。
SNSの評判・口コミまとめ|伏線回収は面白い?感想をチェック
公開後の感想を見ると、評価はかなり一方向ではありません。 前作の高揚感から、今作は別れや政治性の比重が大きくなるため、その変化を高く評価する声もあれば、前作ほどの勢いを感じにくいという声もあります。 特に伏線回収については、ラストやオズの描き方まで含めて満足したという意見と、歌やテンポとのバランスに物足りなさを感じた意見に分かれています。
| No | 口コミの抜粋 | 引用元 |
|---|---|---|
| 1 | 善い魔女と悪い魔女としてそれぞれの道を歩むことになった親友2人のその後を描く後編。確かに歌は弱いけどオズの。 | X(旧Twitter)投稿:@monkey1119 |
| 2 | オズと魔法使いからこの物語を考えた脚本家の人の想像力がすごい。美しい姿が描かれる程に悲劇って何でかがやくんだろうか。 | X(旧Twitter)投稿:@Atsu1025 |
| 3 | 前作と対になる“別れ”の物語。ラストの「For Good」が、静かに、でも確実に胸に刺さる。 | X(旧Twitter)投稿:@Ymovie23 |
| 4 | 立場が違えば、同じ真実でも選択は変わる。エルファバの不器用さに苛立ち、グリンダの変化に切なくなる。 | X(旧Twitter)投稿:@cinema_ch |
| 5 | 前作は学園ものとして明るく、友情や高揚感を軸にした作品だったのに対し、今作はそこから真逆に切り返してくる。 | X(旧Twitter)投稿:@nishiedogawa |
| 6 | 歌は本当に素晴らしいんだけど、ストーリーやテンポが微妙…という感想。記憶に残るキャッチーな曲も前編と比べると全然。 | X(旧Twitter)投稿:@Wells_1983 |
| 7 | ブチ上がった前編に対し、今回はなんか地味? オズの魔法使ネタも大量増加で色々と急? | X(旧Twitter)投稿:@mouse15278 |
| 8 | 物語的にも音楽的にも見せ場のあった前半と比べると、後半は尻すぼみ感が拭えない。でも、前半で広げた風呂敷を綺麗に畳み。 | X(旧Twitter)投稿:@Spica24510 |
| 9 | 続編に有りがちな感想さておき そんなの吹き飛ばす勢いでクライマックスに向かうシンシアとアリアナの歌唱。 | X(旧Twitter)投稿:@DEXTSUKAI |
| 10 | 『オズの魔法使い』という作品への『ウィキッド』なりのアンサーは尊重できるも、様々な面で生煮えのような印象は否めなかった。 | X(旧Twitter)投稿:@B_Gara_Aki |
映画考察ピヨラボ独自採点です。
- 伏線のつながり:18点/20点
- セリフの強さ:19点/20点
- 演出の印象深さ:18点/20点
- ラストの余韻:19点/20点
- 見返したくなる度:17点/20点
総合得点:91点/100点
総評としては、前作のわかりやすい高揚感を期待すると、続編はかなり重く感じられるかもしれません。 しかし、前作で置かれた友情の記号やオズの違和感が、後編で政治と歴史の話へつながる構成は非常に見応えがあります。 テンポや楽曲面で好みが分かれる声はあるものの、伏線回収とラストの切なさまで含めると、シリーズ全体を完成させる一本としての満足度は高いです。
評価は割れつつも、伏線回収とラストの重さに強く反応する声が多い作品です。
この記事はシリーズ第3回目(全3回)になります。


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